医療費控除と住民税について
医療費控除をせずに、所得税が0の場合には面倒な医療費控除をはぶいてしまいがちですが、一定の場合に医療費控除をおこなうことにより、住民税が安くなることがあります。
まず所得税の仕組みを知る必要がありますが、所得税は原則として個人の1年間の収入(所得)に対して課される税金です。
しかし、人として必要最低限の生活を維持するために所得の一定部分を課税外としておく必要があるため、社会保険料控除や扶養控除などの所得控除が認められています。
この所得控除後の所得(課税所得)に税率をかけると所得税額が計算できますが、さらにここから税額控除額と定率減税額を差し引いて納付税額を算出します。住民税についてもほぼ同じと言えます。
・所得がぎりぎり0の場合
住民税の所得控除は、所得税の所得控除よりも少ないので、所得税において所得が0の場合であっても住民税では所得が生じてしまいます。このような場合所得税において医療費控除の申請をおこなっておくことにより住民税が安くなります。
・住宅ローン控除によって所得税が0になる場合
医療費控除を摘要する前の所得税が、住宅ローン控除によって0になっている場合、原則的に住民税では住宅ローン控除がありませんので、住民税では所得が生じてしまいます。
このような場合、所得税において医療費控除の申請をおこなっておくことにより住民税が安くなります。